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高真空中のメカトロニクス

ここ20年来継続している半導体の高密度化から,また,近年ではナノテクノロジーへの関心の高まりなどから,微細な加工及び観察技術への要求は永続的に続いており,現在要求される加工分解能は1桁ナノメータのオーダに完全に突入している.このような高精度・高分解能な加工にはクリーンさらには高真空環境が必要とされることが多く,そのような環境下での物体ハンドリングの必要性が高まってきている.周知の通り,大気中のメカトロニクスは非常に進歩している.例えば精密位置決めを例に挙げれば,すでに細線間隔が0.1μmより小さい露光精度を目指されており,実験室レベルの装置では数nmオーダの位置決めが実現されている.一方真空中では,材料の制限(低ガス放出性,耐熱性),大きな摩擦,速い摩耗などに加えて,荷電粒子ビームを使う用途では,磁気の使用の制限などから,大気中で使用できるような高性能なモータ,センサなどの要素技術をそのまま真空容器内に持ち込むことができない.新野研究室では,このような物理的特殊環境に対応したメカトロニクス要素技術の創出を目標に研究を行った.

必要とされる真空度の変遷
図1 必要とされる真空度の変遷


超音波モータを利用した超高真空対応回転導入器の研究
微細構造の観察・加工の必要性が高まるとともに,真空・ 超高真空中でのメカトロニクスの重要性が高まっている.このような環境下でのメカトロ要素には,低放出ガス性,耐熱性,また多くの場合非磁性が求められる.このような要求に対応する,回転運動の発生機構として,超高真空対応回転導入器の開発を行った.

超音波モータ
超音波モータ(大気中で撮影)
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テレスコピック型アクチュエータの研究・開発
真空容器,特に超高真空に対応した真空容器内での運動の制御は,様々な理由によりモータやセンサを容器内に持ち込めないことから,非常に困難を極める.一方,そもそも超高真空はナノメータオーダの微細構造を観察したり加工したりするために必要になることが多く,この環境内で要求されるメカトロオペレーションの質は非常に高い.新野研究室では,圧電素子などの熱やガスの発生要因となる要素のみを真空容器の外部に配置し,真空容器内では数10cmオーダのストロークと,ナノメータオーダの分解能を有するアクチュエータシステム,テレスコピック型スティックスリップアクチュエータの研究を行った.
テレスコピック型アクチュエータ
テレスコピック型アクチュエータ(大気中で撮影)
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真空中静電浮上技術の研究
ナノメータオーダの観察・加工を実現できる電子顕微鏡,電子ビーム露光装置など荷電粒子ビームを利用した装置では,試料などを真空中・超高真空中で位置決め・搬送する必要が生ずる.ところが,大気中に比べ真空中では摩擦が大きい・摩耗が速いなどの問題があり,精密な位置決めなどは容易ではない.また,荷電粒子ビーム,特に電子ビームは磁場に敏感で,多くの場合完全非磁性が求められる.完全無摩擦・完全非磁性のステージや搬送装置のための要素技術として,真空中での静電気力による浮上技術の開発を行い,静電モータと組み合わせることにより,完全非磁性・非接触モータを試作した.

搬送装置用浮上装置
搬送装置用浮上装置(大気中で撮影)
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