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大きな材料の不要な部分を取り去ったり,必要な量の材料を型に嵌めたりすることで目的の形状を作り出す従来の製造法に対し,必要な材料を少しずつ付加させることによってデジタルで保管された形状を実体化する製造法のことを付加製造(Additive Manufacturing,AM)と呼び,一般的には3Dプリンティングとも呼ばれています.レーザー焼結は数多くある付加製造技術の1種であり,主に熱可塑性の樹脂粉末を薄く敷き,赤外線レーザーで加熱して選択的に溶融・固化させることを繰り返し,目的の形状を実体化します.

プロセスに関する研究

レーザー焼結の低温造形に関する研究

レーザー焼結では,造形中に加工対象物が反ることを防ぐために粉末床を融点近くまで予熱していますが,この方法が有効な材料は限定的である他,材料の再利用が困難でコストが高いといった問題もあります.そのため,本研究室では,予熱温度を自由に選べる低温造形の研究を行っています.

高機能プラスチックの加工に関する研究

スーパーエンジニアリングプラスチックと呼ばれる高機能樹脂は融点が高く,レーザー焼結で加工するには耐熱性の高い特殊な装置が必要になります.本研究室では,低温造形によって高融点樹脂の加工を実現する方法を研究しています.

マルチマテリアルAMに関する研究

現在の付加製造技術は数多くの材料を加工できる一方,樹脂と金属など融点が大きく異なる2種の材料をワンバッチで加工する方法はほとんどありません.本研究室では,射出成形品の表面に金属回路が配置されたMID(Molded Interconnect Devices)製造技術の1種であるLDS(Laser Direct Structuring)とレーザー焼結技術を融合し,金属樹脂複合構造体を付加製造する手法を研究しています.

アプリケーションに関する研究

付加製造による組織工学担体の製造に関する研究(工学系研究科酒井研究室と共同研究)

組織工学(再生医療)における臓器再構築には様々な手法が提案されており、それらの中で付加製造を活用する手法も少なくありません。本研究室では,生分解性樹脂製の組織工学担体をレーザー焼結によって製造し、比較的大型で代謝速度の大きい臓器の培養に関する研究を行っています.

光デバイスへの応用に関する研究(第一部枝川研究室と共同研究)

枝川らが提唱したアモルファスダイヤモンド構造を有する高誘電率構造体がバンドギャップを有するという理論を実証するため,酸化チタンを含有する材料からなるアモルファスダイヤモンド構造体をレーザー焼結によって製造し,実際にバンドギャップを観測しました.

AMによるスポーツ用義足の生産(Additive Manufacturing を核とした新しいもの作りの創出)

付加製造をもの作りに活用する上では製造技術としての性能を向上させる他,付加製造に適したビジネスモデル,製品の選定,デザイン,CADツールなど包括的な開発が必要となります.本プロジェクトでは,スポーツ用義足ソケットを例に軽量で高強度な義足を製造するため,高機能樹脂の加工技術,機能的で美しいデザイン,カスタムメイドに必要な設計ツールの三位一体の開発を行いました.